支援していた生産者団体が1位、2位に! Philippines Coffee Quality Competition 2019. まにら新聞に掲載 (2019/3/25)

Philippines Coffee Quality Competition開催
ミンダナオ島のアラビカコーヒー生産団体が躍進
<まとめ>
・1位、アポ山、BACOFA農協
 2位、カラトゥンガン山、Milalittra
・アラビカ部門:ミンダナオ産が1位から10位を占める。
・ロブスタ部門:ルソン産とミンダナオ産がほぼ互角。
・生産者農民の声
・日本人の声・所感
・その他(課題、関連動画、購入、問合せ方法)など。


まにら新聞に本日(3/25)付で掲載
Published in Manila Shimbun, Japanese News Paper for the Japanese in the Philippines on March 25.
http://www.manila-shimbun.com/category/society/news243930.html

以下、記事に加筆修正
The following is the article but some information are added.

23日、2019Philippines Coffee Quality Competitionの授賞式がマニラ市デ・ラ・サール大学において開催された。主催は比国農業省、貿易産業省、米国農務省、米系NGO ACDI-VOCAなど。

審査はQグレーダーと呼ばれる鑑定士によって国際的な方式で評価された。Qグレーダーは海外から3名、ルソン、ミンダナオから2名ずつ計7名が選出され、1週間にわたり各自数百のカップを評価した。海外の鑑定士は、初訪比で先入観がなく、また、ローカルの審査員も地域のバランスを取り公平さに配慮がされていた。

ダバオから2人の審査員が参加。
Coffe for Peaceのバイロン君とFrog Cafeの女主人ジーナ。
二人とも味覚に優れている。
彼らの出した結論なら受け入れられると納得はしていた。

Philippines Coffee Quality Competition 2019 (3/23)
右から:コルディリエラ行政区貿易産業省局長ミエルナ・パブロ
コンポステラバレー州貿易産業省局長ラッキー・シゲフィルド
1位マリビック(BACOFA)(日に焼けてる)、2位ジョアンナ(Milalittra)、一人おいて、4位アリエル君(BACOFA)、一人おいて6位マリアルース(BACOFA)。
2列目中央農業省Bernadette F. San Juan局長、貿易産業省Blesila Lantayona事務次官補。


■結果<アラビカ部門>順位、州、農園(農家)
優勝:南ダバオ州、BACOFA農協、マリビック(ナチュラル)85.36
2位:ブキッドノン州、Millalitra、(ナチュラル)85.06
3位:ブキッドノン州、BMMPC、Lenelyn Hupayan(ナチュラル)、84.68
4位:南ダバオ州、BACOFA農協、アウグスティン・ティムロン(ナチュラル)、84.50
5位:ブキッドノン州、BMMPC、マリオン・イナハン(ウオッシュド)、84.34
6位:南ダバオ州、BACOFA農協、マリアルース(ハニー)、84.36
7位:南ダバオ州、BACOFA農協、テレシタ(ウオッシュド)84.92
8位:北コタバト、Rogelio Giangan、Rogelio Giangan、84.11
9位:南コタバト、Boyet Buan、Boyet Buan、83.93
10位:南ダバオ州、BACOFA農協、Sergio Soon、83.89
11位:ベンゲット州、Zandra McFadden、83.68
12位:ベンゲット州、Benguet State University、83.46

1位から10位まで、ミンダナオ島の生豆が占めた。1位は85.36ポイント、6位は84.36ポイント。その差僅か1点に6つが入る激戦を制したのは南ダバオ州アポ山の標高1,490mでコーヒー生豆を栽培するBACOFA農協のマリビックさん。

昨年2位になった実績があり、今回も実力で優勝をもぎ取った。今回最多の9つエントリしたBACOFAからは、4位、6位、7位、10位と上位に5点の入賞を果たした。

2位はブキッドノン州のカラトゥンガン山の標高1,200m1,700mで生産しているMilalittra。メンバーは少数民族(タラアンディグ族)である。昨年4位で、今年順位を上げてきた。35位は、同じくカラトゥンガン山のBMMPC(Bayanihan Millennium Multi Purpose Cooperative) が入った。

■結果<ロブスタ部門>順位、州、農園(農家)
優勝:ブキッドノン州、BMMPCLorna Libante、85.04
2位:南コタバト州、Mario Joey Tacan、83.82
3位:南イロコス州、Rodolfo Aciong、83.71
4位:ブキッドノン州、BMMPC, Primitiva Mahumot,
5位:コルディリエラ自治州、Asiws Farm, Joel Gladi,
6位:南イロコス州、Kinmarin Coffee Growers Association、83.25
7位:南イロコス州、Felicidad Paulo、83.11
8位:南イロコス州、Juana Bintongan、82.93
9位:南イロコス州、Mabini Ubuan、82.42
10位:ブキッドノン州、BMMPC、81.93
11位:コンポステラバレー州、Pine Valley Farm Tourism Camp、81.54
12位:南コタバト州、Fred Fredeluces、80.86

ロブスタ部門1位は85.04ポイントで、BMMPC2位には南コタバト州から入賞した。
12位中、ルソン6、ミンダナオ6とほぼ互角の結果であった。

■優勝者の言葉:
1位:マリビック・ドゥブリア(39):「優勝できて嬉しい。既に一定の品質を担保しているが、今後も品質を保っていきたい。皆のハードワークが優勝につながった。コーヒー生産に近道はないと思う。マニーパッキャオも言ったように、安易なやり方では多くのお金は稼げない。」

4位:アリエル・ドゥブリア君(精製乾燥を担当)(集落長):「来年も参加する。価格が高くなり、他のメンバーの生活も良くなるだろう。」

6位:マリアルース・ドゥブリア(36):「嬉しい。とても興奮している。ハニープロセスでは最高点になった。」


写真撮って!の連続で

BACOFAの受賞者
左から、アリエル、マリビック、マリアルース。
アリエルとマリアルースは夫婦、マリビックとは家が隣。
BO's Coffee のCEOと。
BACOFAの総会
BACOFAの生豆選別の様子

BACOFA、Ms. Chaindlleの生豆選別

BACOFA:欠点豆の資料を参照しながら選別


2Milalittraのマーケティング担当ジョアンナ・ドゥマキータさん(38)は、「勝ち負けより、自分たちのコーヒーのスコア、性質を知ることが大切。少数民族タラアンディグ族のコーヒーが2位になり競争力があることがわかりました。昨年4位から努力し今年2位になれたことは幸せに思います。ただ、まだ多くの資機材など要素が欠けていることも認識しています。タラアンディグ族のコミュニティ、神、そして部族長のダトゥ・リオのリーダーシップに特に感謝しています」とコメントした。

ここの部族長(Datu Rio Besto氏)は、物静かですが、頭脳明晰で威圧感・貫禄があります。カラトゥンガン山約1万ヘクタールの先祖伝来の土地の管理団体の長も兼ね、環境保全関連の会議に頻繁に参加されています。


スペシャルティコーヒーの実物を見るMilalittraのメンバー
中央:ジョアンナ
見本の生豆提供:ONTHEUP上登國際珈琲(台北市)多謝。
赤い帽子がDatu Rio Besto。Mt. KalatunganにおいてTalaandig族の先祖伝来の土地1万haの全体を統括する部族長。
素晴らしいリーダーシップ、頭脳明晰で発言はシャープ。環境保全関連の会議に頻繁に参加、発表を行っている。Datu Rio Bestoの自宅にて。Bukidnon州Talakag町Brgy Miarayon。

中央:ジョアンナ(Milalittra)


Pistacia Mindanao Coffee Export Inc太田氏コメント
上記のコーヒー生産者を支援・提携しているPistacia Mindanao Coffee Export,Inc.代表の太田勝久氏は「今日はここ3年間で一番嬉しい日となった。農民のハードワークが報われて良かった。人的にも地勢的にももっと上に行ける潜在能力はある。農民自身の志も高い」と話す。

つづけて裏事情としては、「今年はMilalittraが優勝する可能性があると感じていた。一方、Mt. Apoのマリビックらは、1団体で最多9つを出品。農協組織として実力をつけてきた。12月から、実際にどのコーヒーを飲んでも水準を超える安定感があり、それを感じていた」
「2月に、組織内部で、個人VS組織の利害対立があったが3月の総会までに乗り越えた。組織として一段成長した。Accountantのマリテスの仕事に隙はなく、年間の収支は明朗。近隣からの参加希望者が増えたことも信頼を積み重ねた証」

「珈琲の風味の話に戻ると、最初に試飲した際、マリビックのナチュラルは、Mt Apoの他のコンテスト生豆より1段美味しく6位以内を確信した。そこから、彼女はさらに生豆の選別をスクリーンサイズ16のフルイを使って行い、早朝、深夜に真剣に生豆を見つめ、欠点豆は一粒の逃すまいとする姿勢でさらに磨きをかけた。この努力で優勝をもぎ取った。フルイを使ったあとのものは試飲していないが、努力を見て、優勝はマリビックだと確信していた。」

「支援してきたMt. ApoBACOFAと新規に支援を始めたMilalittraが、予想通り1,2位を受賞し興奮した。非常に嬉しかった。実は、ブキッドノン州でも事前に評価会を行い某ファームが一番になっていたが、今回12位には入らなかった。標高が1,200m程度と低いことが原因の1つと考えられる。ルソン島があまり入賞しなかったのは意外であり、残念。今回勝ったとはいえ、ミ島の生産者も課題も多いので、1つ1つ克服していきたい。」

「90点を出せる農園とは、どんな農園、栽培、気候、人なのだろうか興味も沸いた。いつかフィリピンでも90点越えの日は来るとは思うが、そのための準備をしたい。先ずは、持続性のある農業をベースに取り組みたい。」


■品種およびエントリ補足
生豆のエントリーはアラビカ種34とロブスタ種43で2部門に分けて行われた。アラビカ種とは主に標高1,000m以上で栽培され風味が良いが、収量が少なく病気に弱い。

ロブスタは多収且つ耐病性があるが、風味に劣り主にインスタントコーヒーの原料とされる。

しかし、フィリピンでは「ファインロブスタ」と言い、所謂スペシャルティクラスのアラビカのように丁寧に精選加工するものがある。今後の差別化されることに期待している。

各農家は事前に、貿易産業省の各州事務所に1エントリにつき180KGを提出した。アラビカの精製方法には、ナチュラル、ウオッシュド、ハニーがあり、1団体から複数の出品が認められていた。

■購入方法など
海外の審査員からは、品質の高さに言及し、今後世界のマーケットがもっとフィリピンのコーヒーに注目するだろうと述べた。なお、上位6位のコーヒーは4月のコーヒーイベントでオンラインオークションにかけられる。

■購入方法など
アラビカで1、2位になった団体のコーヒーは、マカティ市フレッシュロースター珈琲問屋(02-750-6200)でも少量を取り扱っている。
フィリピン国内最大の品揃え

Makati City Hall横にお店はあります。


日本の場合は、下記ショップを予定
https://pmcei.blogspot.com/2018/11/7.html

■課題
2団体に限らず、資機材(乾燥させる屋根・ネット付き台、検品用テーブルなど)が不足。処理しきれない生豆は、地面で乾燥させコモディティ(低級)品となり付加価値をつけられない。

また、最高得点も86で足踏みしている。斜面の土壌の流亡を防ぎ、且つ施肥を行い肥沃化するなど土壌管理も重要と認識しており今後着手していきたい。

■関連動画
生産地の様子等
https://www.youtube.com/channel/UCml8VbP2c4K0G2n-GwXBPsw

■問合せ先
URL(ブログ)https://pmcei.blogspot.com/




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