JICAメトロダバオ包括持続的マスタープラン合意文書署名式

 2023年11月10日、ダバオ市にて、JICAが実施するメトロダバオ総合持続的都市開発マスタープランの合意文書署名式が開催され、サラ・ドゥテルテ副大統領、アルセニオ・バリサカン国家経済開発庁大臣、坂本JICAフィリピン事務所長、越川フィリピン大使、石川ダバオ総領事、マリア・ローデス・リム国家開発庁ダバオ地方局長、レオ・テレソ・マグノ大統領東ミンダナオ補佐室代表、アルトゥーロ・ミランダバオ地方開発評議会代表代理、エリック・アキノ外務省ミンダナオ局長に加え、メトロダバオを構成するダバオ市やマティ市などの自治体の首長らが参加した。


仲良しですね。左から、バリカサン経済開発庁大臣、サラ副大統領、越川大使、坂本JICAフィリピン所長、ミランダバオ地方開発評議会代表代理



メトロダバオとは共和国法11708号(An Act Creating the Metropolitan Davao Development Authority, Defining the Powers and Functions, and Providing Funds Therefor)に基き発足の準備がなされている。ダバオ市を含む15の自治体では急速な都市化と人口増加が進んでおり、特別な開発圏として宣言した。15の自治体は以下の通り。

①ダバオ市

②パナボ市、③タグム市、④サマル市(北ダバオ州)

⑤ディゴス市(南ダバオ州)

⑥マティ市(東ダバオ州)

⑦サンタクルス町、⑧ハゴノイ町、⑨パダダ町、⑩マララグ町、⑪スロップ町(南ダバオ州)

⑫カルメン町(北ダバオ州)

⑬マコ(ダバオデオロ町)

⑭マリタ町、⑮サンタマリア町(西ダバオ州)

共和国法7条によれば、メトロダバオの評議委員には、ダバオ地方開発評議会委員長、各州知事、市町長らが含まれる。彼らの選出したした候補者から大統領が長を決定する。任期は3年。

同マスタープランは、交通、環境、固形廃棄物処理、教育、産業開発、観光、上下水などのセクターを含む。JICA坂本所長とバリサカン大臣が署名し、近日中にJICAのHPで公示され、専門家チームによる提案書の提出・評価され、早ければ来年1月に業務開始、期間は18ヶ月、最長で2年を予定。

サラドゥテルテ副大統領は「長年にわたりJICAは技術及び資金の面で重要な開発のパートナーであり続けています。感謝を申し上げます。農業、商工業、環境、交通、保健、多分野にわたるマスタープランは経済性の高い、よりバランスの取れた都市計画になるだろう。

国全体の発展のバランス、及びブルネイ、マレーシア、インドネシア、ミンダナオを含むASEANの成長エリア(The Brunei Darussalam–Indonesia–Malaysia–Philippines East ASEAN Growth Area:BIMP-EAGA)の中でも、競争力を有する都市地域に発展することが期待される。

フィリピンビジョン2040に叶うものであり、将来の世代が私達の世代の努力の恩恵を受けるであろう。日本の政府に深く感謝する」と挨拶した。

サラ・ドゥテルテ副大統領のスピーチ


JICA坂本「私達はメトロポリタンダバオ地方において、力強く公平な発展の達成に向けた重要な一歩を今日踏み出します」と挨拶。また「フィリピンに着任して、メトロマニラの外に最初に出張したのが愛すべき街ダバオ市」と続けた。

JICAとして、フィリピン国の地域間の公平な発展に貢献することを重視しており、ミンダナオは約束の地と呼ばれ、その巨大な開発ポテンシャルに注目している。力強く公平な発展への重要なステップ 。

JICAのフィリピンにおける業務には3つの柱(=国別開発協力方針)
1)基盤強化や投資促進を通じた経済成長
2) 包摂的な成長のための人間の安全保障の確保(貧困、食料確保、教育、保健、災害対策など)
3)ミンダナオにおける平和と開発である。


▽JICAの主なミンダナオ島案件

近年実施した主な案件を紹介。

1) ダバオ市バイパス建設事業(有償)

2) ダバオ市治水対策マスタープラン策定プロジェクト(技術協力)

3) ダバオ市包括的汚水管理マスタープラン策定プロジェクト(技術協力)

4) 洪水リスク管理事業(カガヤン・デ・オロ市、有償)

5) 中央ミンダナオ高規格道路整備事業(カガヤン・デ・オロ市ーマライバライ市、有償)

6) ミンダナオ紛争影響地域道路ネットワーク整備事業(有償)

7) バンサモロ自治政府能力向上プロジェクト(技術協力)

JICAはミンダナオを重視していると発言。


コタバト市において、JICAの田中理事長と訪問し、田中理事長が外国人として初めてバンサモロ自治地域の議会でスピーチを行った。JICAの積極的な連携は議会でも認められ、またサラ・ドゥテルテ副大統領を含め、高官と意見を交換した。

サラ・ドゥテルテ副大統領が、ダバオ市長であった頃から、ダバオ市のインフラや能力開発プロジェクトを実施してきた。ダバオ市インフラ近代化プロジェクトも実施し、優先プロジェクト


の発掘や短中長期の各ステージの開発計画を策定した。

この点に関しては、国家経済開発庁ダバオ地方事務所及びダバオ市の疲れを知らない努力にも感謝したい。事業の成功の鍵はプロジェクトのオーナーシップであることは強調しすぎてもしすぎることはない。

JICAのチームは、専門家を派遣する。皆様の関係機関とJICAの専門家が1つのチームとして協働することが成功のために重要である。専門家は経験と知識を共有する。メトロダバオの理想像を目指して十分に共同して頂きたい。

JICAは、メトロダバオの発展に強くコミットすることを強調しておきたい。ドゥテルテ前大統領から「兄弟以上の親しい友人」と呼ばれたことは、フィリピンの友人たちから揺るぎない評価を得ている証で、私たちにとって最高の栄誉であり誇りでもある。



JICAは、常に最も信頼されるパートナーである。ー歩一歩共に歩み、共通のゴールを達成しましょう。そのために1つのチームのように働きましょう。

▽NEDAダバオ地方事務所マリア・ローデス・リム局長

案件形成の背景、と11の主な議論のポイントについてプレゼン。


11のポイントは以下の通り。


I. 事業実施の体制:NEDAダバオ地方事務所がJICAのカウンターパート機関になること。
II. MDDCC, MDDC and NEDA XI
III. Planning Period: 2025-2029 for short term, 2025-35 for the mid-term; 2025-45 for the long term. 他の計画との整合性を取ること。

IV. 成果
V. 既存の事業との整合

VI. 税金の想定(免除)
VII. 広報:NEDAダバオ地方事務所が適宜広報する。
VIII. 協議:取り決めにない問題はNEDAダバオ地方事務所とJICAで協議する。
IX. 大統領特別権限(Special Presidential Authority)の発行:事業開始のためNEDAダバオ地方事務所が働きかけ2023年9月に発行済み。
X. 環境社会配慮(JICAのカテゴリーB)
XI. ジェンダー公平性と女性のエンパワメントを促進
以上が重要な議論された内容(salient contents)。


署名







越川大使
ダバオを訪問するのは4回目になります。今年は、日本人移民120周年であり、協力と友好に心からの感謝を伝えたい。バリサカン大臣の遅れた誕生日も祝いたい。岸田首相もフィリピンを訪問し、新時代の協力関係の

インフラ重要。



署名式の後に、記者会見が行われ、質問にらが答えた。

JICA


NDA

非常に重要な開発の道筋を示す。

異なるセクターで、調和の取れた持続的な開発を目指す。

日本人の専門家が入り、___

全くゼロから始めるわけではなくて、既に15の自治体に存在している計画もある。

住宅地造成、産業団地、交通、水道、廃棄物処理など、全体の関係性の中で効率的に実施ができることが期待される。


JICA所長

マスタープランの中で、簡易FSも行う。


サラ副大統領入室、全員立って出迎え。

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