バンサモロ自治地域コーヒー産業ロードマップ策定ワークショップに参加してきました

 和平から発展へ バンサモロ自治地域コーヒー産業政策ロードマップ策定ワークショップ

 2022年121213日、JICAとバンサモロ自治地域貿易・投資・観光省(以下MTIT)の共催で第2回バンサモロ自治地域コーヒー産業ロードマップ策定ワークショップがダバオ市内のホテルで開催された。MTIT、各州コーヒー評議会、ミンダナオ州立大学、バシラン州立大学の関係者、その他森林、農業の専門家ら約30名が参加した。


本ワークショップは同地域のコーヒー産業政策202327を策定することを目標としている。初回の9月には骨子が議論され、各州に持ち帰って作成が続いていた。同地域のコーヒーには4種(アラビカ、リベリカ、エクセルサ、ロブスタ)があり、それぞれの生産にかかる費用、農園を開始した場合の収支モデルが議論された。特に、今回は最終化に向けて各章の数字や事実が確認された。昨今の価格上昇のため、意外に多くの数字が見直された、とワークショップを仕切るローカルコンサルタントのロナルド・シソン(65)はコメントした。

ハニフ・サリダワン氏(元MILF幹部、36才)はMILFコマンダー・ブラボに仕えていた元幹部で現南ラナオ州コーヒー連盟の代表。「JICAが元武装組織のMILFも助けてワークショップに招待してくれることに非常に嬉しく思う」と話した。彼は「小学校6年生の時からMILFで訓練を受け政府と戦ってきたが、今MILFは政治組織になり、現政府と合意した和平プロセスを進展させることに変化した」と力を込めて語った。

JICAの支援で農家の収入を増やせるので、この活動は南ラナオ州だけでなくバンサモロ自治地域にとって非常に良い」と話す。

ハニフ・サリダワン氏(左)

私が「次の戦いはビジネスですね」と水を向けると、彼は「兵士は農家や起業家となった(笑)。私も実は2005年から密命で、都市に言ってミーティングに参加していたのだけど、事務職のために運動が減って筋肉が落ちた」と笑う。

確かに、前回9月にあったときより、少し筋肉が落ちている感じがした。

クライザ・ウズマン博士(タウィタウィ地域農業大学教員、47才)は、タウィタウィ州では信頼できるデータがなく苦労した。これから育苗施設を増やすわ!


Team Tawi Tawi クライザ・ウズマン博士(右端)

ジャリカ・マンガコップ博士(マギンダナオ州コーヒー評議会代表、65)は、「生産コストに関して近年の価格上昇を考慮し見直しを提言した。」実際に、かなり多くのコストが修正され、計算し直されることになった。また彼女の農園に関しては、最も収益性が高いのがアラビカ、次がリベリカ、ロブスタとエクセルサが同程度とのこと。(この結果は、全体の会議とは異なり、全体では第1にアラビカ、第2にロブスタ、特にファインロブスタで収益が高くなるとのこと。詳細はロードマップの完成を待ちたい。)

ジャリカ・マンガコップ博士(右)

サダム・パシオ氏(バシラン州立大学 普及及び渉外部長31才)は「BARMMのコーヒー生産に良い機会だ。2~3章を担当した。年末に加筆修正し、来年最終化する」と語った。

サダム・パシオ氏(左)

ゲストで比国全国コーヒー品評会で上位に常連のBACOFA農協の元代表マリビック・ドゥブリアさん、同農協を支援してきた日本人男性(太田)もプレゼンし技術や成功の要因を共有した。同農協のマネージャーで本年品評会2位のチェリーヒル・カバンダイさんも質疑応答に備えた。

ムスリム自治地域の方々からは、「マリビック、講演に来てくれ」、「我々がBACOFA Coopへ視察に行っても良いか?」と。マネージャーのCherry さんは「事前に連絡してくれればOK」と返事。繋がりそうで楽しみである。

南ラナオ州コーヒー連盟傘下でAmai Manabilang町St. Mary Downtown Farmers Orgzanization, Inc. のMaimona Ganihさんは、「マリビックのプレゼンで施肥や収穫後処理など価値を高める方法を学んだ。これを帰ってメンバーに伝えたい。町で一番美味しいコーヒーを作りたい。とても勇気付けられた」と話した。


ロードマップは来年、第1四半期に議会で審議されバンサモロ自治政府首相が署名する見込み。 











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