SCAJ 2022 フィリピン大使館貿易産業省ブース 反省会

2022年10月12~14日、 フィリピン大使館貿易産業省ブースにて、ミンダナオ島の代表として呼ばれて運営に携わっておりました。運営について、以下3つの観点から振り返ってみたい。

(1) 出展にかかわるマネジメント

(2) ミンダナオ島のコーヒー及びKapeco Projectのプロモーション

(3) ブースの運営(コーヒーの提供と案内)


(1) 出展にかかわるマネジメント

これは、フィリピン大使館貿易投資部の責任の範囲で、1企業が口を挟むことではないことは承知している。しかし、8月後半から、ブースの準備、設営、豆の提供に関わってきたのでいくつかの改善点をメモしておきたい。

大使館貿易投資部は「リベリカ種推し」で、本国では、アラビカ種のスペシャルティーコーヒーとロブスタ種のファインロブスタが推されている。

ファインロブスタはミラノの展示会でも高評価を得ていた。
https://www.pna.gov.ph/articles/1178834

1.多様性のアピール
フィリピンは、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種、エクセルサ種の4種のコーヒーが入手出来る数少ない国である。今回はアラビカ種、リベリカ種を試飲して頂いた。ファインロブスタやエクセルサも提供できれば、多様性をアピール出来て面白かったかなと思います。

2.終着点
イベント終了後に、出展した結果、貿易投資部より成約数などがヒアリングされた。もし、ビジネス的に数量を重視するのであれば、フィリピンのコーヒーを大量に入荷している「シサム工房」さんをブースに誘い、販売拡大を目指すべき。(フィリピンから招聘したフィリピン人2名は、日本に在庫が無い。)

3.タイムマネジメント
本国からのコーヒー豆やチョコレート及びフィリピン人が、予定より遅れイベントの前日に到着。ぎりぎりで間に合ったのですが、税関やDHLが特殊な条件(フィリピン大使館及びSCAJ)を考慮して下さったのでしょう。

4. 通訳の配置
フィリピンから招聘した2人に対して1名でも通訳(英語ー日本語)を動員するべきだったと考えます。

(2) ミンダナオ島のコーヒー及びKapeco Projectのプロモーション

次は、我々自身の反省になります。
今年は価格が高騰しマイクロロットとも言えないような100KGのみ輸出。この量でSCAJに参加することは出来ないと諦めておりました。今年の4月にはフィリピンの貿易産業省のスタフと「SCAJ2022に出よう」、フィリピン政府も以前よりコロナで展示会への参加予算が余っていたので丁度良い機会でしたが、100KGではお誘いできません。次回はAll philippinesで参加できればと思っております。

1. 営業力の弱さ
価格リストを持って臨むべき。

2. 販売、サンプル提供が少ない
もともと販売する気が少なかったためですが、事前に販売・サンプルの数量、提供方法を決めておけば良かった。ベトナムのLambiang Coffee Projectでは、生豆・焙煎豆ともに販売を行っていた。 

3. 名刺交換後のフォローが遅い
今からでも遅くないので、価格リストを添付し連絡を取る。

4. クラウドファンディングの周知
良かった点として、リーフレットを500枚印刷し、400枚程度弱を配布出来たこと。
当初200枚印刷する予定であったが城戸さんの助言で500枚としたことが結果的に良かった。 

5.豆に対する認識の違い
カッピング会なので浅煎りで、豆のキャラクターを感じてもらおうと前月から準備。具体的には、2種計12KGをEMSで日本(ARiSE COFFEE ROASTERS)へ送り、通関(厚生省食品監視課への手続き)も実行。1周間前に焙煎して頂きと準備万端備えていた。一方で、アームズの方も「マリビックは良い豆なので深煎りでも甘みが感じられる」とコクの奥から甘みを探し出すという玄人が好むような筋のコーヒーを準備。どの豆をどのタイミングで出すか決めていなかったこともあり、フィリピンから送った豆が焙煎豆にして7KG強余った。もうあと1KGほど、消費してもらっても良かったかなと思う。結果的にですが、同じ豆で浅煎りと深煎りを提供すると比較が出来て面白がってもらえるという経験を得ました。

(3) ブースの運営(コーヒーの提供と案内)
アームズ(一般社団法人日本焙煎技術普及協会)のボランティアの方々がヘルプして下さいました。フィリピン大使館ブースにコーヒーを提供できる専属のプロはいない。10時~17時までアームズの方々4~5名が抽出とコーヒーをお盆に載せて提供し続けて下さり、ブースは回りました。

初日朝、オープンと同時に人の波が押し寄せてきて「予想の3倍多い」という状況で人が切れない。フィリピンのコーヒーが珍しいという理由もあった。とにかく、全ブースの中でも最も忙しい1つであった、というのが関係者の感想。

では、運営のアームズの方から伺った課題・改善点を以下に記載します。

1.全体の管理者がいない。
  お互いの自己紹介もない。
  →朝と夕に一度、チェックインやチェックアウトをしたほうが良かった。

2.提供している豆の変更のタイミングがわからない。
  急に言われても困る。
  →提供する豆の時間割を用意

3.ほうき、ちりとりを用意してもらいたい。
  →了解。

4.消毒液は自腹で用意をした。
  →大使館が負担する。

5.コップが足りない。
  →合羽橋までT氏に買い出しに行ってもらった。

6.コンセントが少ない。
  →タコ足コンセントを用意する。

7.  ミルが壊れた。プロ用のミルを用意してもらいたい。
  →要検討

8.サーバーなど備品も少ない。
  →用意する。

9.ブースが狭い。
  →次は比国政府に2~3スペースを借りてもらう。

10.豆の種類や価格を尋ねられるので説明が欲しい。
  →用意する。

などなど、コメントから混乱の中においてベストを尽くしてもらったことが伺える。
アームズの皆さま本当にありがとうございました。

個人的には、また初日のお昼の提供も出来ずアームズの皆さんに申し訳なかったなと。と伝えると、ある女性のボランティアの方は「ランチはどうでも良い、機材の方が問題、コーヒーを提供できるかどうかが重要」という返答でした。プロ意識の高い方々でした。

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