バンサモロ・コーヒー・サミット開催

 和平への象徴 バンサモロ自治地域コーヒーサミット初開催

 102527日、コタバト市のシティーモール所及びアルノ-コンベンションホールにおいてバンサモロ・コーヒーサミットが開催された。バンサモロ自治地域貿易・投資・観光省(MTIT)及び貿易産業省ラピッドプロジェクトが共催。官房長官アブドゥルラオフ・A・マカクア(MILF軍事部隊元参謀総長)もテープカットに参加。

主な出席者は、MTITロスライニ・アロント・シナリンボ事務所長、バンサモロ自治地域ビジネス評議会代表ロナルド・ハリッド・D・トーレス弁護士、バンサモロ自治地域議員ラソル・Y・ミトゥマJr弁護士、マギンダナオコーヒー評議会代表ジャリカ・マンガコップ博士、ミンダナオ州立大学スルー校アブドラジク・ダンサラン博士、JICA専門家山岸真希氏ら。

 

官房長官アブドゥルラオフ・A・マカクア(MILF軍事部隊元参謀総長、写真中央)もテープカットに参加。中央の官房長官の左隣りが山岸専門家

シティ・モールでは約15のブースが出展。5州からコーヒー生産者やバリスタ、その他に貿易産業省RAPIDプロジェクトが参加した。2526日にはバリスタのレクチャー、27日にはテイスティングとバリスタ技術のコンペティションも行われ、特に若い世代で盛り上がった。

1杯25ペソのコーヒーが販売される横で1杯130ペソのスペシャルティーコーヒーが販売され、高い方に行列ができる一幕もあった。その他、チョコレートやの手織りのテキスタイルなどの展示で賑わった。

 


一方、アルノ-コンベンションホールでは、先進地域の事例や民間セクターによる取り組み、コーヒーの収穫後処理や焙煎・抽出技術、ランドバンクによる融資の説明が行われた。また、MTITのコーヒー産業振興ロードマップも提示され参加者からコメントを得た。同ロードマップはJICAなど支援によってたたき台が策定され、年内に最終化が見込まれている。

MTITのアミサ・S・カロン・メンデスシニア貿易投資スペシャリスト(38)は、「初めてバンサモロのコーヒー産業の関係者が一同に集まった。お互いを知る機会になり、特に若い人が多くハッピーでした。ダバオ地方から関係者も招聘し知見の共有も出来た。バンサモロは全国で3番目にコーヒー生産量が多い地方なので機会を探って行きたい。全体としてイベントは成功」と電話インタビューに答えた。



ジャリカ・マンガコップ博士(65)は「ダバオ市におけるコーヒー価格、収穫後処理技術、融資等について有益な情報が得られた。一方で、主にアラビカ種と一部のロブスタ種が展示や試飲に使用されたがエクセルサ種やリベリカ種が展示されなかったのは残念」と話した。

山岸真希JICA専門家(44)は、「2014年に初めてコタバト市に来たがBO’sコーヒーくらいしか産地がわかる店は無かった。今ではサードウェーブのカフェも増え、現在宿泊中のホテルでもバシラン、スルー、マギンダナオのコーヒーが選べる。8年前には想像がつかない程に発展している。本サミットも然るべき人を招待し、期待を超える運営がなされた。バンサモロはフィリピン人によって発展が期待できる」とコメントした。

ダバオ市で修行し、2019年コタバト市で自分の店(カフア・サードウェーブ・カフェ)をオープンしたKirkscream Khan(35)は「農家だけでなくバリスタに才能を示す場を与えてくれたバンサモロ政府に感謝している。今後もイベントが続くことを希望している」と述べた。

 
<補足>
ダバオ地方からCoffee for PeaceのMs. Joji Pantoja、元Flog CafeオーナーでQグレーダーのMs. Gina Ableitinger、スペシャルティーコーヒーの母BACOFA CoopのCoffee Queen Ms. Marivic Duburiaの3人が招聘され、講演や審査を行った。

まにら新聞掲載(2022 10/31)
https://www.manila-shimbun.com/category/society/news267422.html
(有料記事)






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