珈琲一杯の元気 岡希太郎 木寺良一著(要約)

 コーヒーと健康に関する「珈琲珈琲一杯の薬理学」(原作岡希太郎)を要約しました。

岡希太郎先生は、FBでコーヒーと健康に関する最新情報を精力的に発信されておられます。AmazonのKindleで無料で読めます。https://www.amazon.co.jp/%E7%8F%88%E7%90%B2%E4%B8%80%E6%9D%AF%E3%81%AE%E5%85%83%E6%B0%97-%E5%B2%A1%E5%B8%8C%E5%A4%AA%E9%83%8E-ebook/dp/B00Y04N4UK/ref=sr_1_1?dchild=1&qid=1626873375&s=digital-text&sr=1-1&text=%E5%B2%A1%E5%B8%8C%E5%A4%AA%E9%83%8E

著者についてWikipediaより引用 

1941年、東京都に生まれる。東京薬科大学卒業ののちスタンフォード大学医学部に留学。医薬品化学と臨床薬理学を専攻。臓器移植の薬理学、漢方薬の薬物動態学、出生体重と生活習慣病との関係などについて研究した。

2004年からは研究テーマを「コーヒーと健康」に絞り込み、2007年には『珈琲一杯の薬理学』を著した。東京薬科大学名誉教授、日本コーヒー文化学会常任理事サイエンス委員長などを現任する。


要約
1章(歴史のため省略)
2章(生態~焙煎のためほぼ省略)
浅煎りと深煎り「一石二鳥の効き目あり」
浅煎り豆の成分:カフェイン、クロロゲン酸、トリゴネン、糖分、アミノ酸
深煎り豆の成分:カフェイン、ニコチン酸、NMP、香り成分、褐色色素
成分の違いで予防できる病気も異なる。
*両者をミックスした「希太郎ブレンド」が健康に良い。

一日に何杯?「過ぎたるは及ばざるが如し」
「適量は3.5杯 ざっと3~4杯じゃな」
病気の元を抑えるという意味で漢方薬に近い。
※近年では岡先生は「3杯」と述べておられます。

3章 コーヒーと病気の疫学(以下、鍵カッコ内は文中の人物のセリフの引用)

肝臓病
「2005年アメリカの論文ではコーヒーがアルコール性肝炎を予防するとある」
  ↓
「アルコールだけですか? ウイルスとかは?」
  ↓
「ウイルスが病気を招く確率を下げることが可能なのじゃ!」
  ↓
「コーヒーを飲んでいればウイルスを除去する薬が倍くらい効くらしい」

糖尿病
「コーヒーを1日4杯か5杯飲む人は2型糖尿病になるリスクが最大58%まで下がるようじゃ」

がん
「コーヒーはがん予防にも役立っておるのじゃ!」
「肝臓がんの予防効果が特に目立つね。発がんリスクが25%まで下がるのじゃ」

痛風と高尿酸血症
「コーヒーを飲んでいる人の尿酸値は低いというデーターはある」

パーキンソン病
「コーヒーが予防になるんじゃよ」
「コーヒーとパーキンソン病の関係は50編もの論文に書かれておる」
「もはや疑う余地はないくらいじゃ」

脳卒中・心臓病
「1日に3,4杯のコーヒーはリスクを下げるというメタ解析論文がでているんじゃよ」
別の参照:頭痛大学

うつ病
「コーヒーとうつ病やコーヒーと自殺など様々な調査がされてコーヒーを飲んでいるとそれらの発生が低くなる結果が出ておるのじゃ」

全死亡率
「先生!! コーヒーと寿命の関係を調査した論文がありました」
「これを見ると確かにコーヒーは寿命を延ばすようです」
「男性で10%程度 女性はもっと延びているようじゃ」

4章 女性のためのコーヒー学講座
病気を予防する効果は、男性より女性に強く現れます。
理由は、女性ホルモンが体内でコーヒーの分解を防いでいるらしいのです。
つまり女性の体では、男性よりも長い時間コーヒーの成分が溜まっているのです。

コーヒーの効き目は女性に有利
「コーヒーの効き目に男女差ってあるんですか?」
「あるある大ありじゃよ」
「糖尿病・大腸がん・皮膚がんの予防効果は女性の方が圧倒的じゃ」

コーヒーの効き目と女性ホルモン
本節は、仮説が例え話で進むので要約的フレーズをピックアップ出来ません。
自分で内容を要約してみます。
女性ホルモン→コーヒーの成分の分解を邪魔→有効成分の血中濃度が高まる→効き目が強まる。

冷え性は女性の敵
「アメリカの話になるんじゃが赤血球病貧血の特効薬としてHMFが承認された」
「HMFってなんですか?」
「カラメルの香りの成分じゃ。コーヒーにも入っておるよ」
「赤血球が運ぶ酸素の量を増やして冷えた箇所の痛みを取ってくれるそうじゃ」

ダイエットの味方カフェイン
「コーヒーは脂肪を燃焼すると聞きますが・・・」
「その説明では片手落ちじゃの」
「カフェインが脂肪を運ぶというのが正しい」
「脂肪を燃やすには血液中の脂肪酸を肝臓や筋肉の中に運ぶ必要がある」
  ↓
「しかしこれがなかなか入らない」
 ↓
太った人の細胞には脂肪が余っておるので入り口が塞がってしまうからじゃ」 
  ↓
「カフェインが脂肪酸の入り口を開けてくれる」
 ↓
「コーヒーを飲んだら運動をしなさい」

ミトコンドリアで脂肪を燃やす「三人寄ればも文殊の知恵」
「脂肪酸が細胞に入ってもすぐには燃えんのじゃ ミトコンドリアに入らなくては」
 ↓
「ここに脂肪酸を運ぶのはカフェインではなくコーヒー・ポリフェノールじゃがな」
 ↓
「最後に脂肪酸を燃やすのは酵素の役目じゃ」
 ↓
「驚いたことにはっそこでもコーヒー・ポリフェノールが働くんじゃよ」
「カフェイン、ポリフェノール、酵素がバトンをつなぐリレーのようなものじゃ」 
「運動する前に飲むともっと効果があがるそうじゃな」
 
皮膚がんとシミ予防
「メラニンが溜まると皮膚表面に近い角化細胞に行くんじゃ」
「その運び屋がコーヒー・ポリフェノールで動かなくなるんじゃよ」

妊娠とコーヒー
「疫学研究状は、1日1杯ならゆるされるようじゃがな」
「だけどいくら飲みたくても我慢するほうが安心ですよ」

カフェインが未熟児を救う
「ところで低体重の未熟児に多い無呼吸症の治療薬として なんとカフェインが加えられたのじゃ」
「用法用量を守って適正に使用すれば十分に安全な薬になるんじゃよ」

女性のためのコーヒーの淹れ方
「大事なのは『濃く淹れて薄めて飲むこと』じゃ」

3人分の豆:30g
蒸らし:1分間。お湯は90度より低く
抽出:100ml → 薄めると3杯分。
「成分と美味しさは全部抽出されとるはずじゃ」


5章 不定愁訴とコーヒー
偏頭痛とコーヒー
「コーヒー一杯なら脳血管が縮まって頭痛が静まるが」
「2杯3杯と飲むと逆に血管が膨らんで痛くなるんじゃ」
「じゃから コーヒーは薬と違って自分に効く量を知っておく必要があるわけじゃな」

貧血とコーヒー
「重症遺伝病の鎌形赤血球貧血という病気があるんじゃが その治療薬として米国でコーヒーの5-HMFが承認(※)されたんじゃ」
※ 5-ヒドロキシメチルフラール
  ↓
「どういう成分なんですか」
  ↓
「コーヒーの糖分がカラメル反応を起こして香りを放つんじゃ」
  ↓
「その香りが赤血球のなかでヘモグロビンにくっつくと鎌の形が正常な円盤状に戻るんじゃ」

血栓とコーヒー
「東海大学院の後藤教授はコーヒーを飲んだ後の血液の抗血栓作用を観察しておられる」
「脳卒中予防薬の作用と似た効果が見られての」
「コーヒーの成分のなかに抗血栓作用をもつものがあると考えられておるんじゃ」

「わしも実験したことがあるんじゃが」
「深煎りコーヒーのニコチン酸や香り成分のピラジンやフランに抗血栓作用が見つかったんじゃ」

血圧とコーヒー
「コーヒーの疫学的研究では血圧を上げたり下げたりはしないとなっています」
「高血圧の人がクロロゲン酸だけを飲むと正常値に近づいているんです」
「コーヒーのなかにクロロゲン酸の作用を邪魔するものがあると考えて「それが何かを」追求したんじゃよ」
「見つかったのはHHQといって、活性酸素を生み出す成分(中略)こいつがあるとクロロゲン酸の効果が消えてしまうのじゃ」
「そのHHQを取り除く方法が見つかってヘルシア缶コーヒーが出来たんじゃ」
「内臓脂肪を減らす効果もあるコーヒーですね」

6章 未来のコーヒー
(面白いけれど割愛)

あとがき
「コーヒーの予防効果がはっきりしてきました。(中略)このマンガを通して先ずはコーヒーのことをよく知って頂ければと思います。次のステップでは、飲んで満足できる美味しいコーヒーに出逢って下さい。そして出来れば毎日一杯でも飲み続けて、いつまでも健康で居て欲しいのです。」

原作・東京薬科大学名誉教授 岡希太郎
作画・Alto(東京工芸大学芸術学部マンガ学科)
作画指導・木寺良一









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