開発活動の理念
理念 スラムダンクに「日本一の選手ってどんな選手だと思う… きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな。 オレはそれになる」というセリフがありました。コーヒー生産で問い直してみました。「美味しいコーヒーの生産を可能にするのは、どんな組織だと思う?」と。
農協の規範:2016年農民は生産物を販売するのみ。以後、価値を活かすため品質向上に注力し認識を変えた。
農協の能力:毎月の定例役員会がほぼ全員出席で開催されるようになった。会計報告も精確になった。
資源:品質向上のための収穫後処理の資機材(乾燥ベッドや焙煎機、グラインダー等)が行政から供与。
農協のその他機能:昨年末の地震緊急支援ではNGOから資金を受領し被災者に分配するという自治の機能を果たす。また先輩として他地域へコーヒーの生産及び組織マネジメントの指導も行うようになった。
地域の環境:コーヒー樹の作付け面積が増加。また草生栽培導入した。土壌流亡に効果。
市場への参入:2016年は大口バイヤーが1件のみ。現在20以上のバイヤーに増加。
行政との連携:2016年農業省ダバオ地方事務所のみ。現在、同省事務所に加え貿易産業省やダバオ地方開発委員会と連携。ニーズが反映されやすくなった。(上図は大濱裕著参加型地域社会開発の理論と実践 178ページを参照し作成)
その回答が上のグラフです。美味しいコーヒーを作る組織とそれを強化するコミュニティの枠組みがあること。フィリピンのコーヒー生産者は小規模(1~2ヘクタール)なので個人農家では達成出来ないという前提で話をすすめます。小規模ではインパクトがないので「組織(農協)」の形成は必須です。品質は優先される価値・行動規範でした。その品質の向上とともにマーケティングがフィリピン国内では容易になっていきバイヤーも増えました。また専従職員を雇用するなど組織は機能を高めています。
行政との連携は、資機材やインフラの提供以外に、農民に政治に目を啓かせる良いきっかけになっています。環境保全は未だ遅れているので、持続的農業のため土壌保全に力を入れたいという理想があります。
最終のアンカーが国際市場(日本の皆様)です。外国からの応援の声は現地では大きな力、話題になります。特に日本の方は繊細な舌感覚があり、評価頂ければ有難いです。その声を聴かせて頂ければ開発方針に農民に伝え反映させて参ります。このように組織・地域社会・環境の状況を整理してお伝えしていきますのでご支援ご愛顧を賜ることが出来れば有難いです。将来はIT技術が、途上国のコーヒー農家をより身近に感じさせる存在にさせていることでしょう。
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