税関手続き~今日コーヒー生豆が出港

今日やっと生豆を積んだ船が出港しました。
目次
・税関で手続きを教えてもらう
・生豆の運び出し
・港通りにある通関業者の倉庫へ
・通関業者が入力ミス!
・あとは貿易産業省からの原産地証明
・港の様子

本日(7/21)今頃の時間に船が出港しているはずです。
(船が出たという連絡は無いが、輸送費の請求書は来たので)
今回は、植物検疫以後の輸出手続きの流れ(実体験)について説明していきます。
主な登場人物(団体)は税関、通関業者、貿易産業省ダバオ地方事務所です。

植物検疫について簡単に振り返ると、コーヒー生豆は6/11に自宅に検査官が来て出張検査を行い、その後植物検疫サービス部にて植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)が即日発行されました。カカオニブは6/26に50KGを持ち込み、即日発行されました。所要1時間。

その後、東京の大井ターミナル行きの船を探して見つからず無為に時間を過ごしました。
大井の代わりに提示された港は、「TYO46 Kumagumi Tokyo Y1 Container Terminal」。江東区と大田区が領有を争った人工島で大井ふ頭に隣接しており、即OKしました。通関業者が最初から言ってくれれば大井にこだわる必要は無かった。(こちらも、もう少し詳しく問いただすべきだった。)

税関で手続きを教えてもらう
7/14(火曜日)
通関業者は、昨日月曜日(7/13)に税関に行くと言って行かなかった。
今日(7/14)も行かずに明日行くと言う。ずるずると後ろに倒しされている。船は21日出港予定。こちらは、焦り始めている。

通関業者のハリー君:「コンテナを予約してからでないとExport Declaration(ED:輸出許可通知書)のオンライン申請が出来ない。けれど、21日でしょ。まだ日数がある。コンテナ呼ぶと料金がかかるからなあ」
太田:「もう呼んで」 

しびれを切らして自ら税関に自ら行った。
何が起きるかわからないので、事前に確認しないと怖い。


EDの申請において必要な記入事項を確認。
税関では職員のHoneyさんが親切に教えてくれた。

一般的にフィリピンの役所はどこも親切です。
Very Kind, the Government of the Philippines is.
ドゥテルテ大統領になってから透明性・公平性・迅速性が増した感じがしています。
Transparency, Fairness, and Efficiency are much improved under the President Duterte. 最近の役所は、対応が早く汚職は無く本当に良いと感じます。

以下は質問の一部。

Honey:「InvoiceについてはBIRの書式を使うように」
太田:「税関書式を使うように通関業者から言われた」
Honey:「じゃあいいわ。これで受理するわ」

太田:「輸出品の検査には来ますか?」
Honey:「行くかもしれないし、昨年と同じなので行かないかもしれない」

太田:「原産地証明はED発行に必要ですか?」
Honey:「EDを先に取得してから、コーヒーの場合は国際コーヒー機関の代理機関としての貿易産業省で原産地証明を取得して下さい」
注:昨年は原産地証明がないとEDが発行されない。一方原産地証明はEDが無いと発行されないという解決不能な指示が、税関と貿易産業省からありました。今年は、EDは発行してくれるとのことで、その状況は解消された。

太田:「会社の税関の登録の期限が7/24で切れるようです」
Honey:「登録があるのね。見せて。ああ、これね。上に確認します。」
・・・・・
Honey:「昨年、オンラインで申請しているようですよ。印刷してきますから待っていて下さい」

昨年オンラインも申請を作成していたので、Honeyさんからそのコピーを受け取る。
だいたいの項目は同じ内容を書き写せば良い。
来週の輸出なのでミスは許されない。
手取り足取り教えてもらうのは恥ずかしかったが、わからないことはすべて聞いた。

太田:「EDに記載するInvoice番号は」
Honey:「000でいいわよ」
→これは、後で小さな問題になった。



ダバオ市ササ港にある税関(Bureau of Customs)の建物。
青空に、白い壁と青い波柄のデザインが映えます。

建物内部。
新型コロナの封鎖行政の厳格化が7/16から始まるという噂があり申請者が多かった。

輸出関連の書類を扱う部署"Export Service Division"。
写真を撮っていたら、いきなり声を掛けられた。
写真禁止かと振り向くと、他の通関業者さんで名刺をくれた。
人間関係の距離が近い。 ついでに私もいくつか見積もりも依頼した。(即日メールで回答が来ていた!)

7月14日夕方、グレインプロから空気を出来る限り抜いて荷造りを完成させた。
税関職員の検査は、通関業者の倉庫で行われる見通し。




袋詰めをすると指が死んで力が入らなくなります。

7/15(水)

ハリー君:「Invoice番号は、BIR(内国歳入庁)領収書の連番に合わせた方が良い」
太田:「税関の職員は、今の形式で受理すると言っていたよ」
通関業者のハリー君:「XXXでも話が通りやすい。」修正して損はないというようなことをいう。
太田:「(よく聞き取れなかったが)OK、修正する」
と朝から書類の作り直し。この社内作業で手間取り、午前の時間を使う。
電子データはハリー君に送るが、税関は12時~13時は昼休憩で閉まる。

午後1時、ハリー君と税関にて待ち合わせ。
彼は、オンラインで申請は済ませたという。
Invoiceの原本を渡そうと鞄を開けると無い。探してもない。

太田:「ごめんね。置いてきたから取りに帰るわ」
ハリー君:「待て。名前が呼ばれるかもしれない。待とう。対応はそれから決めよう」

太田:「原産地証明は、無くてもコンテナは先に送れるんだよね」
ハリー君:「それも確認する。問題ないはず」

ハリー君:「ところで昨日来たんだって?いっぱい写真を撮っていたと職員がいってたよ」
太田:「昨日、確認に来たよ」
ハリー君:「僕たちの仕事を奪うつもりですか?」
太田:「そんなつもりは無いよ。手続きを理解しておきたい」

ハリー君:「生豆は明日の朝取りに行く。L300のバンでいいかな。3.5トントラックだと大きすぎて入れない」
太田:「荷物1,000KGと少ないから小型のバンでOKだよ」

ハリー君:「税関の中の様子見てくる」
・・・・・・・
ハリー君:「(戻ってきて)まだ書類の山がこんなに厚い(15㎝くらい)。名前呼ばれないから先に忘れ物取ってきて」
太田:「了解」


ササ港にある税関の敷地内

取りに戻るレンタカーのドライバーも私が単に忘れ物をしただけだと気づいたようだ。やれやれ。

書類を持って車で税関に向かっている途中、ハリー君から電話がかかる。
ハリー君:「今日はもう呼ばれない。僕が、そっちに行くから待っていて」
太田:「了解」
この後、話した内容は覚えていない。
書類の授受と今後のスケジュール確認だけだったのだろう。
頑張ってくれているのでチップ500ペソ渡した。

7/15 今日は手続きの途中で終了

生豆の運び出し
7/16(木)
早朝。コーヒー生豆を部屋から運び出す。
Greenstar Logisticsの男性2名と近所の人2人で、バンに積み込んだ。
太田は腰痛のため写真撮影のみ。

港通りにある通関業者の倉庫へ
5袋(125KG)分がバンに入りきらなかったので(苦笑)、レンタカーを1台借りて、 Greenstar Logisticsの倉庫へ。以前は、DAMOSA地区の近くにあったのですが、Panacanに引っ越ししていました。幹線道路に面し、税関からも近く、良い立地でした。





税関職員の検査を受ける。
税関から10分くらいの距離にあり、アクセス容易。
袋を開けると甘いフルーティーな香りが広がる。
検査官コメント:「香りがいいねえ」
検査終え帰ろうとする。


太田:「あのカカオニブも50KGあるのですが」
検査官:見せて。
太田:(やっぱり見るか)
農業省植物検疫のシールがしてあるため、開封せずにOK。


帰り道、SJRDCビル、Insular Commercial Spaceにある、First Pinnacle Trading Corporationさんでプラスチック製のパレット2枚(3,500ペソ)を購入。生豆がコンテナの床に着いて、そこだけ温度が高くなったりして変質しないようにするため。(注:ダバオー東京間は2週間程度、また赤道を越えないため南米やアフリカの生豆よりは輸送中ストレスを受けないと思われる。)


通関業者が入力ミス!
16日(木)夕方、ハリー君が来た。
ハリー君:「申し訳ありません。オンラインでの入力に間違いがありました。」
太田:(正直だなあ)
ハリー君:「これ書いて下さい」と、手書きで偉い様宛のレターをその場で作文する。「明日までにくれれば良いです」
太田:「(明日では何が起きるかわからない)今からタイプして印刷するから15分待って」と、レターを1通作成することになった。

宛名は、Ms. Mary Ann P. DE GUZMAN(Export Divisionのチーフ代理)で、内容はEDのXXXXX番はキャンセルし、00000番に置き換えさせて下さいというお願いレター。
本当に単純に何かの数字を入力間違いしたようだ。
チップ返してくれないかな・・・。
最後まで何が起こるかわからない。

7/17(金)
無事、EDは発行された。
出港予定は7/21(火)。週末を挟むこと、原産地証明の取得が残っているので焦ったわけです。

発行されたExport Declaration。太田(左)、ハリー君(右)

あとは貿易産業省からの原産地証明
この後、貿易産業省で、原産地証明の発行をお願いに行くのだが、そこでもハプニングが起こっていた。ハプニングについては1週間前から把握していたので、焦りはなし。

良いことも3つ起きました。1)貿易産業省のRAPIDプロジェクトとしてが東京でのスペシャルティ―コーヒー展示会SCAJ2021に参加すると内定したこと、2)私もRAPIDプロジェクトの詳細計画策定(南ダバオ州及びブキッドノン州分)に参加するように依頼されたこと、3)Pistacia社のエンジニアをE-TradeのWebサイト構築の絡みで貿易産業省ダバオ地方事務所の方に紹介出来たこと、以上の3つです。

新型コロナ騒ぎで、役所を表敬するのも久しぶりなのでアップデートすることが多く、楽しい時間になりました。長くなったので、貿易産業省の件は別の記事にします。(ツアーで来る会員様は役所にもお連れします。)

港の様子
新型コロナのため夜間外出禁止令があり、出港の様子は見に行けませんでしたが、この港(ダバオ市に隣接するパナボ市Davao International Container Terminal)から出たのではないかということで写真を載せました。

以前の訪問した時の様子(2017年11月撮影)です。
このような設備があり、ダバオは国際港として物流能力を高めています。





バタバタしましたが昨年の修羅場の比ではなく、フィリピン国政府の制度も整合性が高まり利便性が増してきた印象です。以上

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