ダバオ市産コーヒーの試飲 

1月30日、天皇誕生日祝賀会でダバオ市商工会議所の新会頭(Mr. John Carlo Borja Tria)さんから話しかけられた。
会頭:「Dizon氏から聞いたけど、コーヒーやってるそうだね? ダバオ市のアポ山麓S地区でコーヒーを栽培している。品質をみてくれないか」
太田:「いいですよ。S地区ですか。行ったことありますよ。」
会頭:「どうすればいい?」
太田:「生豆200Gを下さい。それを焙煎し試飲します。」
会頭:「OK。近いうちに用意する」
太田:(品質が十分良くて、輸出または国内販売に使えればなあ)

新型コロナで状況は大きく変わってしまった。祝賀会が開催されたダバオ市の名門ホテル「マルコポーロホテル」は最近、従業員を解雇し閉鎖してしまった。市中心部にあり、大きな会議やイベントが開催され、市民の生活とともにあった。私も2002年に調査で訪問した際に宿泊した。当時は1800ペソ/泊くらいだった。
Sample A
Only 2 berry borer found. 欠点豆は2粒。非常に見にくい虫食い豆。(生豆表面の色は変化なし。穴のみが見つかった。大粒の生豆に割れが発生しており、機械の調整が必要と思われる。) 
7/2(木)受領。生豆は粒は大きくて良いが、見たことが無いまだら模様。白色化しており、水分含有量が高そう。噛むとやや柔らかい。2回測定した結果、13.1%、13.2%。
7/3(金)サンプル焙煎。IKAWA Home Roaster使用。

比較対象。Ms. Marivic C. Dubria, Natural. No defects out of 100 pcs.
マリビックの生豆には100粒中に欠点豆なし。

Moisture content is about 13%. It should be at 12% or below.

Sample A とマリアルース・ドゥブリアの生豆の比較。マリアルース(昨年全国6位)もきれい。

湯音は95度、カップには8Gの焙煎豆、湯は150CC。
生豆の粒度は、カリタコーヒーミルネクストGの真ん中8番目とした。


7/4試飲。懐かしい「えぐ味」がした。
3年前は、こういう悪いコーヒーが多かった。

冷えると、良い酸味、甘味も強くなってきた。
しかし、悪さは消えない。紅茶感と悪さが共存している。
どう収穫後処理したら、このようにまだら模様になるのか?
試飲。封鎖のため髪の毛が伸びてます。

収穫後処理を丁寧にしたら確実に品質は向上します。

欠点豆は100粒中2粒(見つけにくい虫食い豆)で、誰が教えたのか農民の生豆選別能力は高いものがあります。課題は、乾燥方法(設備のキャパシティ、攪拌回数、日数、水分含有量計の有無など)。

乾燥が不十分のまま、新型コロナの影響で保管が長期化したことは残念でした。
上記の改善点については、お伝えしようと思います。
また、折角なのでサンプルの試飲してもらうつもりです。以上

追記:
マリビックやマリアルースの生豆は、今年の弊社の売り物なのだからその特長・性質・背景を記しておきます。

マリビックのナチュラル(100KG)
・ワイニ―で甘味あり、エレガント且つクリア。
・標高1450m、アラビカ種カティモール。収穫は2019年10~11月。
・2019年比国コンテスト優勝(アラビカ部門)。
・コーヒーを専業のBACOFA農協の組合長。明るい人です。連絡早い。

マリアルースのナチュラル(200KG)
・ワイニ―で中温から酸味が良くなりジューシー。
・標高1480m、アラビカ種カティモール。収穫は2019年11~12月。
・2019年比国コンテスト6位(アラビカ部門)。
・コーヒーを専業のBACOFA農協のマーケティング、品質管理担当。
 こちらも明るい性格。

写真は、2018年フィリピン品質コンテストの盾をもった
マリビック(右)準優勝、マリアルース(左)6位

2019年フィリピン国生豆品質コンテスト
右から優勝マリビック、4人飛ばして6位マリアルース。なお4位の盾を持っているのは、アリエル氏でマリアルースの旦那。近所の人の生豆の収穫後処理を行い代理受賞。彼らを含め、BACOFA農協から全国10位以内に5名が入賞する躍進を遂げた。

左端の男性は、台湾から招聘された鑑定士の琳氏。日本好き。

Ms. Myrna Pabro(右端) 貿易産業省コルディリエラ自治区の局長。フィリピン国のコーヒーのフォーカルパーソン。2018年東京ビックサイトにて開催されたCafeRes2018においてフィリピン国のコーヒーについてプレゼン。太田は通訳担当。






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