共同通信さん記事の補足



共同通信さんにMt. Apoにおいて現地取材を受けました。
下の写真は、BACOFA  Coop組合長マリビックの家。ここで作業や会議が行われます。

私はフィリピンに15年ほど住んでおり、省庁の副大臣クラスの人から大勢のフィリピン人を知っていますが、それらを含めてもマリビックは、この人は優れた人なんじゃないかと思われるものがあります。

明るいフィリピン人をして、「マリビックを見ているとこっちが明るくなる」と言わしめる人です。人が集まるのは、人柄によるところが大きい。マリビックがいれば、Mt. アポのコーヒー生産は大丈夫、ミンダナオ島全体の農家組織連盟が出来ても良いリーダーになるだろうと思っています。(マリビックについては長くなるので、別途書くことにします。)







記者さんを案内して、マリビックのコーヒー畑へ。
草生栽培(雑草を低密度で維持し土壌を保全する)を推奨しています。
途中、ヤギが寄ってきました。こういう人懐っこいのは珍しい。





 2019年年末の地震で、テント暮らしを余儀なくされている家族がまだいます。
コーヒーの選別作業(といっても素人なので、機械的なサイズの選別)が生計の足しになっています。
優良農家アマバさんの家も、部分倒壊。裏は、斜面でもっと壊れています。
馬は、無事でした。

日本の自家焙煎店さんで、コーヒー教室を行い、コーヒーに関する知識や技術を普及している様子を農民に共有。(この時は富山県桝カフィさんの事例)



記者さんと夕方5時までのダバオ市内に戻り、2人とも服を着替えて天皇誕生日の式典に参加。日系人会学校の美しい合唱(ボルテスファイブOP曲など)が花を添えました。


さて新聞の記事の補足
2020年6月26日付 Sankei Biz(Web版)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200626/mcb2006260500003-n1.htm
タイトル:比のコーヒー豆を日本へ 邦人が指導しブランド力向上

1.マリビックの家の標高
原 文:1,300m
修正後:1,480m
南ダバオ州バンサラン町アポ山のコーヒー生産地は1300m(アメリータの家)~1700m(スター地区)。
ドラフトを事前に確認しておきながら、私が見落としました。
記者さんの文章に間違いがあるわけがないという思い込みがありました。
申し訳ないことをしました。

標高が高い方が美味しいコーヒーが出来ます。
従って1480mと正確にお伝えすれば良かったです。

2.2016年、コーヒーコンテスト初出場初優勝について
原文:太田さんに指導を受けたドゥブリアさんが16年、豆を品評会に出品すると初出場で優勝した。「太田さんのおかげで知名度が一気に上がった」と笑顔を見せる。

実際:
2016年5月、9月、10月に選別指導を行いました。
2016年10月にはKeyコーヒーOBの松浦氏が同行し選別指導。
2016年11月にコンテストに誰かが勝手にマリビックの生豆を出品しており優勝。
2016年は10トン売れ残っていたのに、翌2017年から島を越えて注文が入り、価格も高騰したのは本当。

自分が買い難くなるというジレンマに陥りました。600KGを見込んで注文していたところ、280KGしか集まらず本当に苦労しました。(→他州へ探しに行くことに。山の奥まで行って待ち人に会えないことも度々。こちらも美味しくない生豆を買うわけにもいかず必死でした。)
ジュン・ゴンザレス氏当時のBACOFA組合長。ミンダナオ関係者とともに優勝を祝う。
2016年11月Baguio市にて。

松浦氏の選別訓練
1)農民が用意した生豆を各自250Gを皿にとって選別開始
2)答合わせ。
3)欠点豆は50G(全体の20%)は出るということを体感。
以上のことは記者さんにはお伝えしましたが、文字数の関係で、そこまで詳しくは報道されなかったわけです。よってここでお伝えしました。
2017年以降も教材など作って欠点豆の除去の訓練や抜き打ち検査は続けています。
他は、特に補足、修正はなし。よく書いて頂きました。

本当は、4月2,3日にフィリピン国初のコーヒーエキスポをダバオ市で開催。
その最終日にコンテストの結果を発表し、マリビックが優勝(か準優勝)くらいで、記事のクライマックスにしたいという希望はありました。新型コロナのためキャンセルになり残念。マリビックのコーヒー今年も美味しかったです。甘味、ワイニ―な発酵感があるナチュラルで、欠点が無く後味がきれいなのが特長。

補足の補足ですが、2016年9月、私が2回目にコーヒー生豆(7KG、6KGだったかな)を持ち帰って、焙煎して頂いたところ未熟豆は、たった13粒。

その進歩に、焙煎士の林さん(東京都江東区清澄白河ARiZE COFFEE & ROASTERS)と抱き合って喜びました。





BACOFA農協では、Specialtyでなければコーヒーではないと思いこんでいる節もあり、水準を下げるのは簡単なので今はそのままにしています(苦笑)。組合長のマリビックは、2018年準優勝、2019年優勝、2年連続してフィリピンのコーヒー農家を代表してアメリカにエキスポに参加しており、持ち前の明るさとハードワークで周囲のメンバーも引っ張り、組織として品質を向上させるという方向に伸びてきています。

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