コーヒーの原産地証明の取得について 昨年のドタバタ劇 20200613

原産地証明は取得できるか? 

コーヒー生豆の輸出にあたり、取得・作成しなければならない書類以下の6種
1) 植物検疫証明(Phytosanitary Certificate) 農業省発行
2) 原産地証明(Certificate of Origin) 貿易産業省発行
3) 請求書(Commericial Invoice)自社作成
4) パッキングリスト(Packing List)自社作成
5) Export Declaration 税関発行
6) Bill of Lading 通関業者作成

昨年は原産地証明の取得に苦労しました。
昨年の輸出における原産地証明絡みの2大問題
1) 原産地証明の発行元がマニラ(貿易産業省本庁)
2) 原産地証明発行のためには税関が発行するExport Declarationが必要と言われ、一方、Export Declaration発行には原産地証明が必要と言われる。ニワトリと卵どっちが先か状態。

昨年の原産地証明の取得から出港までのドタバタを記憶を頼りに書いてみます。

1.原産地証明の発行元
一般的に原産地証明は税関(ダバオ市内)が発行する。手続きは通関業者に任せで良い。しかしコーヒーは異なる。国際コーヒー機関(ICO)と国際的な協定が結ばれており、フィリピンでは貿易産業省が窓口。

2020年2月の時点でICO参加国
輸出国:43
輸入国:33(うちEU28か国)
なお、世界最大の消費国USAは加盟してない。
中国は輸出国にも輸入国にも加盟していない。

2.貿易産業省ダバオ地方事務所
太田:「今年も原産地証明発行をお願いにきました」
ロエル氏:「実はダバオ地方事務所に発行権がなくなったんだよ。マニラで手続きして」
太田:「昨年は発行してくれたじゃないですか」
ロエル氏:「制度が変わってねえ」
・・・・
太田:「原産地証明が、マニラでしか発行されないそうなのですが」
マリエアン氏:「マニラの担当者が友人だから聞いてあげるわ」
本庁で発行されることには変わりがないが、友人の方に繋いで頂いた。

3.マニラの貿易産業省本庁へ
別件でマニラへ行った際に表敬。
貿易産業省輸出マーケティング局(マカティ市ヒルプヤット通り)にMs. Suraida U. GUROさんを訪ねた。貿易産業省ダバオ地方事務所のMs. Marie Ann Daratoさんの紹介ということもあり、すんなり面会して頂けた。
Department of Trade and Industry  Export Marketing Bureau
貿易産業省輸出マーケティング局 Ms. Suraida U. GURO(中央)

同省ビル1Fにはフィリピンの特産物の見本多数あり



太田:「はじめまして」
スライダ氏:「ようこそ、いらっしゃい」
太田:「2018年はダバオで発行してもらえたのですが」
スライダ氏:「制度が移行期でね。またダバオで発行されるようになると思う」
太田:「はあ」
スライダ:「今回はインターネットで必要事項を送って。2,3日以内に発行して書類を宅配便で送り返す」
太田:「そうですか。ならば宜しくお願いします」

スライダ:「ところで、フィリピンのコーヒーを日本に輸出しているの?」
太田:「はい」
スライダ:「どこに売っているの?」
太田:「自家焙煎店に。まだ販売量も少ないので、少しずつ」
スライダ:「おたくのブランドで売っているの?」
太田:「いいえ。農協や農家ごとに売っています。」
スライダ:「反応はどう?」
太田:「コーヒー自体は良いですよ。ただ知名度が無い。フィリピンのコーヒーは価格も高いです。南米のように巨大プランテーションではなくて、小規模農家が生産していますから。国内の庭先価格が高いので競争が正直厳しいです。それで口コミで少しずつ販売しています」
スライダ:「うちにもコーヒーに興味のある職員がいるから、紹介するわ。ちょっと待っていて」
ロベルト氏:「カカオもやっているの?御社に問合わせが行くようにリストに載せておくよ。DTIのページに載っているとメリットあるよ」
太田:「ありがとうございます」
等という会話があり次回には、ハンドドリップを実演することになった。
本庁での手続きは受け入れるしかなかった。

4.ダバオにて、税関VS貿易産業省 
話はダバオに戻る。8月の第2週のこと。
税関が、原産地証明がないとExport Declarationを発行しないと言う。
一方、貿易産業省の本庁はExport Declarationが原産地証明発行のため必要と言う。

スタッフ:「Otaさん、上のように言っています。」
太田:「そんなニワトリが先か、卵が先かの問題にじゃない。永久に輸出出来んよ」
スタッフ:「通関業者の人と一緒にもう少し役所と交渉してみます」
太田:「頼むね(祈るしかない)」
私は別件でルソン島バギオ市にいたので任せるしかなかった。

原産地証明はコンテナ船が日本に到着するまでに荷受人に送れば良い。積み荷はコンテナに入れ、トラックで運ばせ船に乗せる直前の状態。ここでExport Declarationが発行されないと出荷停止。トラックを戻して積み荷を降ろして次の船を再度ブッキングせねばならない。労力と費用が無駄になる・・・。
ダバオ市ササ港の税関

「書類OKだよ」効率的で、透明性のある印象。Good Governance
この写真は2年前(2018年6月)、ダバオ市ササ港の税関にて撮影

ダバオにいるスタッフから電話がしきりにかかってきたのは8月8(木)、9(金)。
原産地証明とExport Declarationを同時に取得したのは9日午後。
出航が、8/10(土)。
ギリギリだった。

9日、税関の方が6枚1組の書類の1枚を先行して発行してくれた。それをもって貿易産業省のダバオ地方事務所で(!)原産地証明を発行してもらい、税関に戻り、夕方6時ごろExport Declarationを発行して頂いた。さらに、その後通関業者がダバオ市の隣のパナボ市のコンテナ船の会社に提出してくれた。
税関は、定時の夕方5時を過ぎても対応して事情を考慮して下さったわけです。

私はほとんど諦めていました。
バギオ市にいては出来ることはなく、追加的な費用がかかると腹を括っていました
スタッフ、税関職員、ダバオでの発行を許可してくれた貿易産業省、通関業者関係者に感謝しています。もう1回お礼に回ろうと思う。

5.今年はどうなるか
1)貿易産業省ダバオ地方事務所の担当者ロエル氏は昨年末に退職
2)コーヒー関係の担当は、貿易産業省ダバオデオロ州事務所の管轄になったという情報あり。(ダバオ市から80KM離れている。なぜ、ダバオ地方の中心部ではなく、その州での管轄になるのか? コーヒーの主要人物2名が在籍しているから引き受けたのか、現時点で理由は不明。)コーヒーは他の作物と扱いが異なり、また輸出量が少ないためか、国の制度も流動的なわけです。

昨年と同様に今年も危険な空気を感じる。
波瀾は避けたい。

貿易産業省ダバオ事務所

担当者が不在(在宅ワーク)のため、職員が個人の携帯に連絡を取ってくれた。
親切である。Very Kind.
貿易産業省ダバオ事務所1Fの受付。壁一面に産物の写真。
<メモ>
2018年
6月7日(水)ダバオ市内の通関業者の倉庫にてコンテナに生豆を運び入れ。
午後、気が変わり、コンテナ床と生豆の間にクレートを入れたくなり発注。
6月8日(木)同所にて、積み替えてクレートを入れる。
6月10日(土)に港を出港。
約2週間で日本に到着。

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