ほうき売りのお婆さんと心優しい若い警官訓練生

封鎖中の心温まる話
ミンダナオ島ザンボアンガ半島の付け根、ミサミス・オクシデンタル州オロキエタ市。

89才のお婆さんがチェックポイントを通りかかった。ほうきを市場に売りに行きたいと言う。

しかし、同市では60才以上は外出禁止。新型コロナウイルスの蔓延を防ぐためである。そのため彼女は市場へ行くことは認められなった。

レイモン君(OJT中の警官訓練生)は、彼女に椅子をすすめて話を聞いた。彼女が独り暮らしで、食料など生活必需品を買うためにほうきを売りに行くということを彼は知った。そこで、彼はほうきを全部(3本)を買い、マスクと食料を渡し、バイクを見つけて家に安全に送り届けるように手配した。

「公共サービスは、年齢、性別、地位で変わることはない。必要としている人すべてに与えられる」(ミサミス・オクシデンタル州警察談)

ooo FBで彼に感謝の声が多く寄せられている ooo
*4月5日投稿。5月10日時点で、4.5万の「いいね」。

コメント1
フィリピン人の友人(40代女性、ラグナ州在住)にこの話を共有。
「亡くなったお母さんを思い出した」とのこと。1世代前は、ほうきの手作りしていたようで、それが多くのフィリピン人の琴線に触れたのでしょう。

コメント2
交渉の第一歩は「まずは話してみる」というところから始まります。
老婆は、現金と食料を得ることが出来た。
警官は、ルールを順守させ、新型コロナウイルス蔓延の原因を絶つことが出来た。
両者のニーズは満足できたわけです。
文化が違えば、勤務中に勝手に自費で買い上げて送り返す、ということは発生しなかったでしょう。

参照
オロキエタ市Facebook Page
https://mobile.facebook.com/peopleoforoquieta/posts/2594343080806049?_rdc=1&_rdr

現地メディア
◆Philippine News (全3枚の写真はこちら)
https://philnews.ph/2020/04/07/generous-police-trainee-helps-old-grandma/

◆Inquirer
https://newsinfo.inquirer.net/1255165/kindness-in-the-time-of-pandemic-cop-trainees-public-service-from-the-heart

参考
Walistinghting(ほうきの一種)作成方法
https://myphilippinelife.com/carol-makes-a-walis-ting-ting-the-philippine-broom-of-coconut-fiber/
ほうきは、パームヤシの葉の繊維の固い部分を使ったもの。長さ1m、直径6~7㎝。玄関先やタイルなどゴシゴシと強力に掃くことが出来るフィリピン人の生活に欠かせない道具である。
Philippine News記事の写真を見る限り3本は彼女の手作りと思われる。





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