ミンダナオ現地へ商品・販売に関する報告とお礼(生産者、行政機関、環境保全委員会、自家焙煎店など) 


明けましておめでとうございます。年中は大変お世話になり誠に有難うございました。本年も、変わらぬご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。


年末に、生産地や現地政府関係者に商品化の報告に行ってまいりました。
お礼参りは以下の7か所。

1.Mt. Apoの生産者

2.Mt. Kitangladの生産者

3.キタングラッド山環境保全委員会( Mt. Kitanglad Range Natural Park Protected Area Management Board)

4.ダバオ地方フィリピン投資委員会(Board of Investment Region XI

5.貿易産業省ダバオ地方(Department of Trade and Industry Region XI

6.自家焙煎店

7.自社にてお客さんへ

関係者の皆様、昨年はミンダナオのコーヒーを購入して頂き、また港区区民祭り用に焙煎コーヒーやニッパシュガーの焼菓子を準備・開発して頂き誠に有難うございました。

ラスクは、ナッツの組合せ、配置、甘さ加減まで素晴らしく、バナナのパウンドケーキは、フィリピン人が郷愁を覚えるものでした。

11月には、サザコーヒーさんより、コロンビア・ゲイシャ(サザ農園)とミンダナオのコーヒーをセットで商品化されまして、望外のことで恐縮致しました。

すべてを紹介するわけには参りませんが、生豆の品質向上、抽出方法、カッピング、輸出、配送など多くの方々にお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。

さて、商品を携えてミンダナオ現地にてお世話になった役所や生産地にも行ってまいりました。その様子をお伝えします。(いつも、何かしら持っていくのですが、今回まとめて報告します。)

1Mt. Apo
マリビック(2018年アラビカ部門2位)、マリアルース(2018年アラビカ部門6位)の家の一部がリノベーションされ、生計の向上が実感された。

2016年 Kitchen(改装前)
2018年12月 Kitchen (改装後)


小部屋(デイケア、ワーカー部屋)も撤去し、作業スペースへ。
デイケア部屋はバランガイにより建設されたため不要となった。

作業スペース及び社交の場。
眺望がすばらしく将来はカフェ設立を希望。
Cupping
アメリータの家も改装されていた。

明るいフィリピン人をして「マリビックはいつも明るいから、
会うと心が晴れる」と言わしめるマリビック(左)、
マリビックより弾けて針が振り切れているマリアルース(右)

2Mt. Kitangladの生産者
Dr. Doodsは、もともと動物学者でしたが、最近はコーヒーを担当。
試行錯誤しながら取り組んでいます。


Dr. Doods(左)

Dr. Doodsとは、2018年2月に出会いました。
予定していた量のコーヒーが集まらず、焦ってミンダナオのコーヒー関係者の連絡先を片っ端から電話。彼から150Gのパーチメントを届けてもらい、夜に手で剥いて、翌朝IKAWAの小型ロースターで焙煎。グレープフルーツのニュアンスのある酸味で購入を決定。

農園には、シェードツリーも多く、また、ティピカ、イエローブルボン、レッドブルボン、カティモールの他、他種と区別されるスイート・コーヒーがあるのが特徴。(スイートコーヒーは、ティピカより葉が小さい。木の幹も細く貧弱。)

Dr. Doods:「シェードツリーの近くの木は収量が低い・・・」
Ota: 「光合成量が減るから(大木の下は)少なくなるでしょう」
光合成を邪魔しないように、キャノピーの小さいマカダミアナッツの木をシェードツリーに利用。


実は、昨年5月に50KG返品したことあります。
片道6時間かけて運んでもらいましたが、届いた現物は虫食い豆の比率が大きい。
検討の結果、全量持ち帰ってもらいました。

数時間でフルイにかけて、美味しい豆だけ助けようとしましたが、
無理でした。

返品。申し訳ない気がしていまたが・・・

美味しくないものを混ぜて数量を増やすわけにはいかず・・・
買って甘やかすわけにもいかず・・・

5月
Dr. Doods:「 悪い豆を持ってきて申し訳なかった」
と彼は言う者の、気分を害して、取引停止を心配していました。

11月
Dr. Doods:「先回は悪い豆を持って行って申し訳なかった。今度から選別には気を付ける」

5月も11月も同じことを言う。
謙虚で向上心がある良い人です。

原因は、1)収穫末期に残った生豆にベリーボーラー(害虫)が集中したこと、2)選別人(Sorter)を新規に雇用しトレーニングが不十分だったこと、以上を挙げ、次回(2019年1月)にSorterを雇用する際はトレーニングを一緒に実施することで合意。


3. キタングラッド山環境保全委員会(Protected Area Management Board of Mt. Kitanglad Range Natural Park

キタングラッド山系は、最高で2,800m級の山が連なり、豊かな熱帯雨林が残されています。国鳥フィリピン・イーグルの他、希少生物が生息。

保全地区外のバッファーエリアに、コーヒーを植樹中。
そのため、今後収量の大幅な増大が見込まれる。

議題の1つは、水道料金の設定について。湧水から無料で水道を引いていたところを、環境保全のため集金する計画。その他、希少生物の調査結果のプレゼン。

私は、コーヒーのマーケティングについてプレゼン。
その後、コーヒーを参加者に提供(50人x2回ほど)
母校のフィリピン大学ロスバニョス校から3名が参加していた。

1市7町の地方自治体、環境省、少数民族委員会80名が参加。

プレゼンと珈琲のサーブ(50人x2回)

4.ダバオ地方フィリピン投資委員会(Board of Investment Region XI
2017年11月、投資委員会による現地視察がなされた。申請書類の内容と現地の活動・資機材の内容を照らし合わせることが目的。意外に厳しい審査でした。

製造業は投資委員会の基準を容易にクリア出来るが、輸出業は通常は別カテゴリとなる。
零細小企業の輸出会社としては、フィリピンで初めてBOIの認証を頂き税制優遇が適用になった。関係者・スタッフに感謝したい。
(なお審査に賄賂無し。最近のフィリピンの役所は透明性・公平性が高い。住民からも、公務員の汚職という言葉自体を聞かなくなった。15年前はよく聞いたが・・・。ミンダナオ、ダバオだからだろうか?)

約1年前(2017年11月)。BOIによる現地視察後、バンサラン町少数民族委員及び町長を表敬

和やかにCupping

いつかお礼に行こうと思い、約1年ぶりに、2018年12月にコーヒーを持ってご挨拶に伺った次第です。人を紹介して頂くなど、情報交換にもなり良い機会でした。

5.貿易産業省ダバオ地方(Department of Trade and Industry Region XI
コーヒー輸出を管轄。各産業の振興のため、さまざまな補助・施策を実施。
昨年6月には東京ビッグサイトにてCafé Res 2018へ、ダバオの11社を引き連れて参加。
弊社もその中の1社に入れて頂きました。






6.自家焙煎店
ダバオ市内で、所謂Third Waveコーヒー私が知る限りは数店舗しかありません。
・Coffee for Peace
・Frog Cafe
・Purge Coffee
上記3店では、Mt. Apoなど産地を指定してコーヒーがオーダーできる。
場合によっては、農家の名前まで把握している。

12月に店舗規模が大きく、イベントにも使われるFrog Caféでカッピング。
SCAJで購入したサザコーヒー本間バリスタのコーヒーを試飲。高価で封が切れず、12月まで持ち越していた。焙煎後3カ月経っていたが、非常に美味。(1袋は10月にマニラのコーヒー関係者ミッション企画さんに渡しましたが。その風味に感嘆されていました。やはりこういう類のものは味のわかる人に渡すべきである。)



味にうるさいGina(フロッグカフェの女主人)
日本語も少し話せる。

Frog Cafeオーナーのマークス(右)。WWEのShawn Michael似

ゲイシャ種は、ダバオでも関係者の間では有名ですが、実際にテイスティングする機会ほとんどはない。11月にサザコーヒーさんが、ミンダナオのコーヒーとゲイシャをセットで販売されたため、フィリピンの方々にもゲイシャを試してもらう機会が出来た。

7. 訪問者の方々へ
外国人人材や日本語教育関連で、ダバオに問合せ・訪問されるお客さんが急増中。
ミンダナオ(ダバオ)がコーヒーやカカオの産地出ることも広報しています。

付き合いが長く仲の良い方々に提供
同じビルに、チョコレートのメーカーが入居しており、卸売り価格で購入できます。
こちらに来られる機会があれば、お声がけ下さい。

バンサラン町長、同町農業部、少数民族、現地NGOの方々にはコーヒーをサーブしにいっていない。近日中に訪問する予定。

以上ですが、まだまだ課題も多く、皆様にお知恵やご助力を賜る機会もあるかと存じます。本年も、ご指導ご鞭撻の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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